起業・小規模ビジネスの“頼れる外注”活用法~税理士、会計事務所、社労士?
起業や小規模でのビジネス運営では、本業に加えて経理や労務、税務などの管理業務も自分でこなさなければならず、頭を悩ませる方も多いでしょう。
「税理士?会計事務所?社労士?よく聞くけど、違いがわからない」「外注すべきなの?それとも自分でやるべき?」
そんな疑問に答えるべく、本記事では、これらの専門家の役割と、アウトソーシングのメリット・デメリット、そして事業の状況に応じたおすすめの活用法をご紹介します。
税理士・会計事務所・社労士の違いとは?
| 種類 | 主な役割 | 対応できる業務 |
|---|---|---|
| 税理士 | 税務の専門家 | 税務申告※1、年末調整※1、 記帳代行、経営相談など |
| 会計事務所 | 税理士が所属する事務所(名称) | 多くは税理士業務+経理代行も対応 |
| 社労士(社会保険労務士) | 労務・社会保険の専門家 | 社会保険※2・雇用保険※2の手続き、就業規則※2、労務相談など |
※1:税理士の独占業務 ※2:社労士の独占業務
※会計事務所と税理士事務所の違いは、実態としてはほぼ同じです。表記や規模の違い程度で、ほとんどの会計事務所には税理士が所属しています。
数字に関する業務一覧(社労士以外)
| 業務内容 | 担当できる専門家 | 備考 |
| 記帳(仕訳入力) | 税理士・会計事務所 | 自力やクラウドでも対応可能 |
| 試算表・月次レポート作成 | 税理士・会計事務所 | 経営判断に必要なデータ整理 |
| 決算書作成 | 税理士※1 | 青色申告・法人税申告に必要 |
| 税務申告(所得税・法人税・消費税など) | 税理士※1 | 独占業務 |
| 給与計算 | 税理士 or 社労士 | グレーゾーン。社保が絡む場合は社労士が確実 |
| 源泉所得税・年末調整 | 税理士※1 | 所得税の計算・申告に必要 |
※1:税理士の独占業務
外注するメリット・デメリット
メリット
- ✅ 本業に集中できる
- ✅ 専門知識に基づいた正確な処理
- ✅ 節税や補助金のアドバイスが受けられる
- ✅ 社員を雇わずに業務体制を整えられる
デメリット
- ⚠️ 費用がかかる(月額数千円〜数万円)
- ⚠️ 自社内に知識が蓄積しにくい
- ⚠️ 事務所の対応スピードや相性の問題が出ることも
税理士・社労士の費用感(目安)
| 項目 | 相場(個人・小規模) |
| 記帳代行 | 月5,000〜20,000円 |
| 税務顧問 | 月10,000〜30,000円 |
| 決算申告 | 年80,000〜150,000円※1 |
| 給与計算 | 1人あたり 月1,000〜2,000円 |
| 社会保険手続き(入退社など) | 1件 5,000〜10,000円※2 |
| 社労士顧問契約 | 月10,000〜30,000円 |
※1:税理士の独占業務 ※2:社労士の独占業務
※事務所や業務範囲により異なるため、必ず見積りを取りましょう。
どこまで頼むべき?タイプ別おすすめパターン
以下はあくまで一例ですが、目安としてご参考ください。
- ✅ 起業初期(売上がまだ少ない/月30万円未満)→ クラウド会計+単発相談(必要に応じて)
- ✅ 副業レベル(月収20万以下)→ 自力記帳+決算だけ税理士依頼
- ✅ 本業化(月収30万〜100万円)→ 記帳代行+税務顧問の契約を検討
- ✅ 安定成長中(月収100万円以上)→ 経理代行・記帳+税務顧問+年1決算・申告もセットで依頼
- ✅ 雇用あり・人を増やしたい → 税理士+社労士、W顧問体制を検討
- ✅ 自社で経理雇えない → 経理代行・給与計算・労務手続きまでフル外注も視野に ✅ 起業初期(売上がまだ少ない)→ クラウド会計+単発相談(必要に応じて)
- ✅ 副業レベル(月収20万以下)→ 自力記帳+決算だけ税理士依頼
- ✅ 本業化(月収30万以上)→ 記帳代行+税務顧問検討
- ✅ 雇用あり・人を増やしたい → 税理士+社労士、W顧問体制を検討
- ✅ 自社で経理雇えない → 経理代行・給与計算・労務手続きまでフル外注も視野に
よくある疑問:税理士に依頼すれば社労士は不要?
→ いいえ、基本的に社労士は別途必要です。
なぜなら、**社労士でなければできない「独占業務」**があるからです。社会保険や雇用保険の手続き、労務相談、就業規則の作成などは税理士の業務範囲ではありません。
税理士が給与計算までは対応してくれる場合もありますが、
- 社会保険料の計算や
- 算定基礎届・月額変更届の提出などは
社労士の専門分野です。
社保付きの給与を払っている or 今後予定がある場合は、社労士との連携が不可欠です。
最後に:全部をやろうとしない、任せる力も経営者のスキル
管理業務のすべてを一人で抱えるのは、事業の成長を妨げる原因にもなります。
アウトソーシングを検討する際の基準として、以下の視点を持つと判断しやすくなります。
アウトソーシングを検討すべき基準
- ✅ 毎月の業務量が安定している(例えば売上や仕入れが一定)
- ✅ 社会保険加入が必要な従業員がいる、または雇用予定がある
- ✅ 期末の税務処理が毎年煩雑で、確定申告に時間を取られている
- ✅ 自力でクラウド会計を使っていても、試算表の読み方や経営判断に不安がある
- ✅ 助成金・補助金を積極的に活用したいが、制度の把握が難しい
どこまで任せるかは事業の状況によって異なりますが、 “経営者自身の時間とエネルギーをどこに使いたいか”を軸に考えると、自然と答えが見えてきます。
“専門家をうまく活用すること”も、事業継続力のひとつ。ぜひ視野に入れてみてください。
【補足】税理士と社労士、分業だけど“連携”が大事な理由
税理士と社労士は、それぞれの専門領域が異なるため、独占業務も含め「分業」が前提です。 しかし、実際の現場では、経理と労務は密接に関係しています。
例えば:
- 給与計算は経理だが、社会保険料の計算は社労士の領域
- 助成金の申請には、労務と会計の正確な連携が必要
このため、両者が連携してくれる体制(同じ事務所 or 連携関係)があると、やり取りがスムーズです。
信頼できるパートナーを持つことで、「わからない」や「やり忘れ」が減り、安心して事業に専念できます。

